【Silver & Sound -音楽家を刻む銀塩写真】モノクロフィルムで撮影する音楽家
- とまるおさむ
- 6月29日
- 読了時間: 5分
#027 〜ホルン奏者の紳士的な横顔。デジタルで描く静謐、フィルムで紡ぐ温度

今回はあるホルン奏者の男性をスタジオにお招きして行った、特別な撮影のレポートです。 以前トランペット奏者の方を撮影した際もそうだったのですが、ホルン奏者の方を本格的に撮影するのは、カメラマン人生でこれが初めてでした。 金管楽器の中でも特に演奏が難しく、その複雑な構造から楽器自体が一つの「芸術品」とされるフレンチホルン。 その難解な楽器を操るホルン奏者はどこか紳士的で、演奏する姿も非常にカッコいい。
個人的には、いつか絶対に作品にしたい、憧れの対象でした。 今回、その念願が叶った撮影です。 オファーを出した際、「フィルムで撮影されることに大変興味を持ちました」と快諾してくださった彼。 その熱意に応えるべく、今回もデジタルとアナログの「ハイブリッド撮影」で、それぞれの良さを最大限に引き出すことを目指しました。 カメラマンとして、かなり興奮状態で臨んだ今回の撮影。 その一部始終を、皆さんと共有したいと思います。
Digital Works - 静謐なる空間と芸術の輪郭
前半は、デジタルの高解像度とライティングのコントロールを駆使し、ホルンの持つ「芸術品」としての美しさと、奏者の「静かな闘志」のようなものを表現しました。
デジタルのシャープな描写は、複雑な管の煌めきを鮮明に捉え、静謐なスタジオ空間にその存在感を際立たせます。

バックライトを多用した、ドラマチックなカット。 横顔のラインと楽器の輪郭が光に縁取られ、まるで静寂の中で音楽が生まれる瞬間を捉えたかのようです。デジタルの諧調の豊かさが、この繊細な光を表現しています

こちらはモノクロームで。演奏する姿の美しさを、光と影のコントラストで表現しました。フレンチホルンの持つ重厚感と、奏者の集中力が、よりストイックに伝わる一枚です
Analog Works - モノクロフィルムで撮影する呼吸と体温。
後半は、フィルム(アナログ)での撮影です。
ここでは「オフショット」の意味合いも込め、意図的にリラックスした雰囲気を指示。
彼も快く了承してくれました。
フィルムカメラ特有の、柔らかい粒子感と自然な諧調。
背景を意図的に排した、何気ない時間の一枚ですが、そこにはデジタルの鋭さとは対極にある、彼の表情の柔らかさ、視線の先にある空間、そして芸術品としてのホルンが持つ「煌びやかさと重厚さ」の双方が、落ち着いた雰囲気の中でその存在感を示しています。
フィルムに収められた、彼の呼吸、そして体温さえも感じられるようなカットをご覧ください。

窓辺の柔らかな光の中で。 フィルムのざらりとした質感と、暖かみのある諧調が、彼の自然な表情を包み込みます。 デジタルでは出せない、この『時の流れ』を感じさせる空気感があります。

視線の先にあるのは、どのような景色、どのような音楽でしょうか。
フィルムが捉えた、彼の繊細な横顔と、手元で静かに存在感を放つホルン。
何気ない瞬間ですが、そこに漂う空気感こそが、フィルムの真骨頂です

楽器を片手に持ち、リラックスした立ち姿。 フィルムの粒子感が、彼のシャツの質感や、ホルンの煌めきに、より深みを与えています。芸術品と向き合う、一人の奏者の『ありのまま』を捉えました。
モノクロフィルムで撮影するホルン奏者は想像した通り、やはりカッコいいのです。
今回もデジタルとアナログのハイブリッド撮影を行いましたが、それぞれの良いところが取り入れられた、素晴らしい撮影となりました。
何より、モデルを務めてくれた彼自身が、このハイブリッドなアプローチと、フィルムで撮影された自身の姿に大変喜んでくれたことが、カメラマンとして最高の喜びです。
デジタルで描いた芸術品の輪郭と、アナログで紡いだ奏者の呼吸。
この二つのアプローチが合わさることで、フレンチホルンという特別な楽器と、それを操る一人の紳士の魅力を、より深く、多角的に表現できたと確信しています。
この貴重な機会をくれたホルン奏者の彼に、心からの感謝を。
カメラマン人生初めてのホルン撮影は、私の記憶に、そして作品に色濃く刻まれました。
**あとがき
さて、ここからは少し撮影の裏話を。
本編の写真からはスタジオの静謐な空気が伝わっているかと思いますが、シャッターを切っていない時の私は、かなりハイテンション。
彼に「本当にカッコいいです!」を連発してしまうのを必死に抑えるのに必死な裏側がありました。
実は今回の撮影、オファーを快諾してもらった瞬間から、カメラマンとしての興奮がずっと最高潮のままでした。 そして実際の撮影をして思うのは『やはりホルンはカッコいい!』でした。
今後も機会があれば積極的にホルン奏者を撮影したい。そう強く思いました。
この作例のようにモノクロフィルムで撮影してみたい方、
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モノクロフィルムで撮影された写真は数枚をチョイスして暗室プリントして差し上げます。
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